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肥満細胞脱顆粒を抑制する天然由来の植物エキスを発見

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ロート製薬株式会社(本社:大阪市、社長:吉野俊昭)は、「再生美容」や「機能性素材の探索」をテーマに掲げる研究拠点「ロートリサーチビレッジ京都」において、ストレス性脱毛症に関する研究を行ってきました。脱毛に関係があると報告されている毛包周辺の肥満細胞の働きに着目し、肥満細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出される脱顆粒という現象を抑制する素材の探索を行いました。
その結果、ビワリーフエキス、コンフリーエキス、カミツレエキスに高い脱顆粒抑制効果があることを確認しました。これらの素材を用いることで、ストレスなどを受けることによる毛包周辺の肥満細胞の脱顆粒を抑え、ストレス性脱毛を予防する効果が期待できます。

研究の背景


<女性の薄毛の悩み>

当社が2011年に行った調査では、薄毛に対して悩みを感じる女性は男性を上回るレベルで増えています。女性の薄毛は、髪の密度が低下し、頭皮が透けて見えてしまうことが特徴ですが、そのメカニズムは複雑で明確な要因は特定されていません。その要因の一つとして、ストレスの関与が報告されています。


<ストレスと肥満細胞>

一般的に、ストレスを感じると脳からストレスホルモンが分泌され、肥満細胞が活性化されるといわれています。肥満細胞内部には化学伝達物質が入った顆粒があり、活性化されると脱顆粒を起こし、化学伝達物質が放出されます。この現象は脱毛や毛髪の発育抑制の一要因になります。当社は、アレルギー症状の分野においても肥満細胞の研究を行っており、その技術を使って肥満細胞の脱顆粒を抑制する素材の探索を行いました。


肥満細胞に作用する素材について

ビワリーフエキス、コンフリーエキス、カミツレエキスは、天然由来の植物エキスです。


研究の成果 

カミツレエキスは肥満細胞の脱顆粒を抑制する。



<結果>

カミツレエキスを添加した細胞は、未処理の細胞に比べて有意にヒスタミンの分泌が抑制されました。また、その効果は陽性対照として使用したエメダスチンフマル酸塩よりも高いことがわかりました。


<考察>

以上の結果より、カミツレエキスが肥満細胞脱顆粒を抑制する効果を確認できました。また、ビワリーフエキス、コンフリーエキスにおいてもヒスタミンの分泌を抑制する結果が得られました(図省略)。これらの素材は、ストレスによる脱毛を予防できる可能性があります。


今後の展望

今後、これらの素材を製品へ応用していく予定です。


【用語解説】

毛包
頭皮の毛穴より下層にある毛髪を取り囲む組織のこと。

肥満細胞
全身に存在する細胞であり、毛包周辺にも存在し毛周期に関与するといわれています。肥満細胞の中にはヒスタミンなどの化学伝達物質が含まれており、ストレスなどの刺激によって脱顆粒することでそれらの物質が放出され、発毛抑制や脱毛が起こるといわれています。

脱顆粒
肥満細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されること。

カルシウムイオノフォア
細胞内にカルシウムを流入させることで、肥満細胞に刺激を与え、脱顆粒を起こさせる試薬。

エメダスチンフマル酸塩
肥満細胞の脱顆粒を抑制する薬剤。抗アレルギー医薬品の有効成分として用いられています。

ビワリーフエキス
果実が果物として食されているビワという植物の葉から抽出したエキスです。

コンフリーエキス
貧血に対する薬効などが知られている別名ヒレハリソウと呼ばれる植物から抽出したエキスです。

カミツレエキス
アロマオイルで人気がある別名カモミールという植物の花から抽出したエキスです。


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